第二話 家族計画

2/3
前へ
/78ページ
次へ
 したらば子を持つ同僚が 「そろそろ病院に行った方がいいよ」  と言ってくれたのだが謙太にもそれを話すと 「今はきっとまだタイミング的にその時期じゃないかもしれないよ」  だなんて。  確かに私も仕事が軌道に乗って課長からすごく期待されたり、さらに新システムや企画のチームリーダーになったりもして。  一回、生理痛を我慢して具合が悪くなって迷惑かけたこともあったからなおさら妊娠、育児で穴をあけてしまったらと思うとそうか、今はそんな時期じゃないんだって納得したけど。 「もう20代も最後よ。このくらいの時期で第二子生む子だっているんだから」  と一人目を30代で出産した不妊治療経験のある義理の姉、美濃里からはっぱをかけられる。彼女は悪気があっていっているわけではない。  彼女も相手の親から相当のプレッシャーがあったとつらい体験談を酒に酔うと語ってくれたものだがやはり29歳。同級生も結婚して子供が二人目三人目と聞くと一人目もまだな私は焦ってしまう。  もし今妊娠して出産したら30歳……。一人っ子は自分自身もそうだったがやはり兄弟は欲しかった。だからもう一人となるとすぐ妊娠出産……は難しいし。0歳児を預けて仕事して、でもしょっちゅう病気をして中抜けする同僚を見ているものだから仕事にならない。  四年位開けて子供が幼稚園に入ったら妊娠、出産で35歳……出産するにも高齢出産でリスクも高い。それで体調を悪くして職場復帰できなかった先輩も知っている。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

290人が本棚に入れています
本棚に追加