2人が本棚に入れています
本棚に追加
「しばらくはそばにいて、自立なんて自信が無いし、
それに私、働いたことが無いのよ」
僕は数週間、映子のそばにいた。
住まいは小さな一軒家だった。
火加減で料理して風呂を沸かすので、コツが必要だったけど、映子は
慣れていった。
美容院で髪を整えることもできた。
働くのは市場での果実売りで、レジをやるわけではなく、紙に包んで
渡す役目だった。
それも順調にいった。
そして住まいの近所の人たちや店の従業員とも仲良くなれた。
「ありがとう、日並くん、私、人生をやり直してみる」
「それができると信じたい」
事が上手くいきすぎて心配なくらいだった。
僕は安心して、自身の部屋へと戻った。
最初のコメントを投稿しよう!