星の数ほど死んでいく

捕らわれの女

僕は魔界を復興させた。
瓦礫を一掃してすべて消した。
そこから建物を再現していった。
家、店、球技場、公園、それらを作り上げた。
灰色の風が透明になった。

そして規律を作った。

「人間界に干渉することは許すが、殺人は許さない」

それらに反抗する者はいなかった。

テウスも何も言わなかった。

それから人間界を少しずつ変えていった。
魔界より人間界のほうが広い。
簡単にはできない。
人の心を動かすこともできない。
やれることは限られていた。