捕らわれの女

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『映子が大量殺戮を起こしたわよ』 ファータールの神、フーヌから連絡がきた。 僕はスマホを床に落とした。 しかしすぐに部屋に移動してファータールに移動した。 人の死体の山が積み上げられていた。 車と車がぶつかり、飛行機が落下して黒い煙をあげる。 その中で悠然と映子が立っていた。 金色のドレスをまとって、真っ赤な口紅で。 「どうしたってダメ、どうしたって、こうなる」 「映子......」 「私は、人の死の上にしか立てない。何度も何度も何度も!」 「何があったんだ?映子」 「王様の妻になったらね、隣国の王様も愛してきたの。 それでね、二人で私の取り合いになって戦争が始まったの」 ただ、それだけで......。
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