捕らわれの女

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いつもの喫茶店だけは、廃墟のままにしてある。 思えばすべてはここから始まったのだ。 辰巳が死んで、風子が死刑になって、ヨトとマウが死んだ。 タオと彗星に僕は告げた。 「映子の前世をさぐってみようと思う。 彗星ならわかるだろう?人間の抱える業というものを。 それを背負って死んで怨霊になる者もいる」 「わかります。亡くなる側にも業がある場合もある」 「過去へ飛んでみる」 「神様は異世界へ行ったり、過去へも行けるんですね!」 「身が自由なだけさ」 タオが銀色の髪を掻き乱した。 「さぐって、現在を変えれるのかい?」 「かもしれない、やれることはやってみる」
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