捕らわれの女

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何かの予感がして、予感は当たった。 「なるほど、駆け落ちでも急がなくていいわけですね」 奥の部屋で親らしき男女が斬殺されていた。 血まみれの死体のそばに出刃包丁が転がっている。 「だって、どうしても許してくれないから。 彼、売れない小説家で、お金がなくて、そんな男はやめろって、 それより社長の息子と見合いしろって」 「だから殺した?」 「そうよ、もうすぐ彼がきて、バスに乗って......。 なんだか自由になれて、はしゃいで、人に親切にしたくなって」 「かき氷おいしかったです」 白子が転がっていた出刃包丁を手に取った。 「あなたも殺せば解決!」 僕は咄嗟に避けた。 「きゃあああああああああああっ!!」 包丁が黒猫に当たった。 「そんな......」
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