捕らわれの女

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世界を統べる王、ゼーノが決めていた。 「映子は28歳でテウスの嫁になり、コレクションにされる」と。 しかし、それまでのあいだで闘争が始まった。 辰巳とヨト、彗星、マウ、セオ。 そうして犠牲になり死んでいった。 そんなときゼーノが「映子を連れ出しなさい」と、言ってくれた。 僕は別世界へと連れていった。 ゼーノが事を解決させようと思い直したのだと思っていた。 しかし、その失敗もゼーノは見抜いていたのだろう。 どうしたって映子はテウスの嫁になるのだと。 ゼーノが何を考えてそうしたのかは、わからない。 所詮は僕は、仕える身でしかないのだ。 だから、従うしかなかった。
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