5人が本棚に入れています
本棚に追加
テウスが広場から屋敷へと移動した。
僕も追った。
「さあ、ここに飾ろう。どうだい?素敵だろう?」
居間の中央の壁が赤く装飾されていた。
テウスは映子をウェディングドレスの姿のまま、手足を拘束して
貼り付けにした。
「大成功だ、美しい顔だ、肌だ、裸体にはしない、
衣服のシルエットだけでも中身はわかる。
髪をショートにさせたのは、頭部さえも美しいからだよ。
さあ、愛しい妻よ、生涯を共に暮らそう!」
映子が涙を流した。
テウスがハンカチで拭いても流れ続けた。
「やがて涙も枯れ果てるさ。声は出せるようにしててあげる。
俺の為に歌を歌ってくれ」
「よくもだましたわね!こんなの、もう人間じゃない!」
「人間じゃなくなったんだよ、喜びなさい、お望みの不老不死だ」
「こんなの、望んでなかった」
「それは残念だったね」
「許さない、許さない、許さない、許さない、許さない!」
最初のコメントを投稿しよう!