捕らわれの女

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テウスが広場から屋敷へと移動した。 僕も追った。 「さあ、ここに飾ろう。どうだい?素敵だろう?」 居間の中央の壁が赤く装飾されていた。 テウスは映子をウェディングドレスの姿のまま、手足を拘束して 貼り付けにした。 「大成功だ、美しい顔だ、肌だ、裸体にはしない、 衣服のシルエットだけでも中身はわかる。 髪をショートにさせたのは、頭部さえも美しいからだよ。 さあ、愛しい妻よ、生涯を共に暮らそう!」 映子が涙を流した。 テウスがハンカチで拭いても流れ続けた。 「やがて涙も枯れ果てるさ。声は出せるようにしててあげる。 俺の為に歌を歌ってくれ」 「よくもだましたわね!こんなの、もう人間じゃない!」 「人間じゃなくなったんだよ、喜びなさい、お望みの不老不死だ」 「こんなの、望んでなかった」 「それは残念だったね」 「許さない、許さない、許さない、許さない、許さない!」
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