捕らわれの女

50/81
前へ
/273ページ
次へ
「俺は、この件からは完全に降ります。 もう、これ以上の変貌はないでしょうし、実生活に完全に戻ります」 彗星が言った。 「ともあれ俺の手柄だ、映子を幽閉したおかげだからな」 セオが言った。 「ここから先は、わからない」 僕は言った。 ともあれ映子は生きたまま死んだも同然だ。 辰巳、風子、ヨト、マウ、これらの死も報われたと言えるだろう。 「この喫茶店だけは残しておいてほしい」 それだけ言って、僕は去った。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加