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知らないうちにソファーで眠っていたらしい。
変な態勢だっせいで身体のあちこちが痛かった。
そして手にはスマホが握らされている。
『かわいい寝顔を見ながら先に帰ります。
また会いましょう』
新しいラインが設定されていて、映子からの書き込みがあった。
スマホを閉じて、立ち上がり、部屋を出る。
チェックアウトをしてラブホテルから出た。
出た途端に男が飛び出してきて両肩を掴まれた。
「赤塔映子は?なぜ一緒じゃないんだ!」
黒髪に白髪が混じる初老の男だった。
「さ、先に帰ったらしい」
そのままのことを僕は言った。
男が両肩を離した。
「逃げられたか、あの女め......!
おまえは何者だ?赤塔映子が、ひと晩も誰かと過ごしたのは初めてだ」
「気まぐれに気に入られた、それだけだ」
男が今度は片腕を掴んで引っ張った。
瞬時にして別の場所にきていた。
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