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映子の目が力を放っていた。
柱を見ると柱が折れて、壁を見ると壁にヒビがはいった。
「なんだ、なんなんだ!」
映子はゆっくりとテウスのところまで行き、髪を掴んだ。
そして片腕で壁にぶつけた。
「ぎゃあああああああああああああああ!!」
「あなたは殺さない、永遠に追ってやる」
「え、映子......」
テウスが血まみれで倒れ込んだ。
「日並くん、ありがとう。でも、あなたも許さない。
出会ったときに言ってくれていれば、私は人生を選べた」
「それには、理由が」
「あったとしても許さない!!」
壊れた建物の破片が飛んできた。
「テウス、屋敷が崩れるぞ、逃げよう」
僕はテウスを起こして歩かせた。
崩れ去る家の中で、映子は悠然と立っていた。
あぁ、これだ。
こんな映子が僕は好きなんだ。
そんなことを考えていた。
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