捕らわれの女

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「日並さんは、いまの現状に責任が取れるんですか? 魔界は再び崩壊して、人の世界は殺されまくっている」 「酒がまずくなるようなこと、言わないでくれ」 僕はハイボールを飲み干した。 「日並さん、赤塔映子を止めてください」 「僕にできるかな?」 「できないかじゃなくて、やるんです!」 彗星が叫んだそのとき。 「なんで俺が殺されなきゃならないの?」 振り向くと女性が立っていて、身体が半透明だった。 「ナンパしてただけだよ、しつこいって言われたよ、 それでも食い下がったよ、そしたらさ」 「人差し指で突かれた?」 「そうだよ、そしたらよろけて鉄製の看板に頭ぶつけて......。 女が言ったんだよ『しつこい男は死ね』って」 「映子だ!」 僕は店を飛び出した。
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