捕らわれの女

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「作っては壊し、作っては壊し、砂の城のようですね」 改めて彗星と飲み直している。 「確かにね。また壊れるのかもしれない」 「神様に政治とかブラック企業とか直して欲しいな。 そっち関連で死んだ霊とも、よく会います」 「そういう方向性は、かなり時間がかかるんだ」 「できなくはないんですね」 このまま、すべてが沈静化すればいいのに。 そういうわけにはいかないだろうか。 犠牲になった人々を背負い、それでも平穏に生きていく。 だけど、映子は不老不死で戦士にもなってしまった。 これで済むとは思えない。 「神様と不老不死とのあいだで、子供が生まれたらどうなんです?」 「え?」 「いや、うちの息子、霊感が強いんですよ、遺伝しちゃいました」 「そうなんだ」 「将来は霊媒師になりたいとか言い出して。まだ五才なのに」 「難しいところだね」 そういえば勢いでやってしまったんだ。 子供ができる可能性はあったが、こんなケースは初めてだ。
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