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灰色の風が吹きすさぶ中で、映子とテウスが向かい合っていた。
「なぜ、俺を殺さない」
「生かして苦しめる為に、あなたは殺さない。
私はこれから、人間界にいる魔物たちを殺しに行く。
テウス以外、誰ひとりとして残さない」
映子は瞬時移動した。
僕とテウスだけが取り残された。
「セオの意識が感知できない、死んでる」
僕の言葉に、テウスが膝から崩れ落ちた。
「子供ひとりの命と引き換えに、これか......」
「彼女を戦士にした僕にも責任はある」
「日並、なら、せめて人間界にいる魔物だけでも救え。
家庭を持つ者もいるんだ」
僕は人間界に移動した。
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