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映子と二人だけの日々を過ごし続けた。
次第に食材が無くなって、食べないようになった。
映子は食べたいものをたくさん話してきた。
たまに様子を見に来るゼーノに頼んでみたら、無理だと言われた。
「また子供を作りそうな仲だな、反省させるための幽閉なのに」
「私は、反省なんかしない」
「なら、ずっと、このままだ」
ゼーノのほうが当然、力が強い。
僕にできることは無かった。
「一生、このままかもね」
「日並くんがいればいい」
そんなあるとき、夢を見た。
小さな男の子が公園でひとりで遊んでいた。
滑り台に上って滑って、また昇って、滑って、ずっと繰り返している。
僕に気づいて駆け寄ってきた。
「こんにちは、ひなみとうまさん」
名前を呼ばれた。
「こんにちは。君は?」
「彗星天人(すいせい あまと)」
「え?彗星?」
「お父さんは彗星舞人」
「息子さんなんだ?」
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