捕らわれの女

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「とうまくん、とじこめられてるよね」 「え?うん」 サラサラの前髪とか目のカタチとか、確かに彗星に似ていた。 「おそと、でたい?」 「まあ、出れるものなら」 「だしてあげようか?」 「君が?」 「できるよ」 「どうやって?」 「こうやって」 そこで目が覚めた。 カチリと音がした。 「まさか......」 僕は牢獄のドアを動かしてみた。 動いて開いた。 なんということだ、天人は世界を統べる王よりも、力がある? それとも、別の方向からの力として効力があった? 「映子、出れるよ、服を着替えて靴も履いてくれ」 「どうしてなの?」 「わからないけど、出れるなら好都合だ」 僕たちは着替えて靴を履いて出た。 とりあえず僕の自室へ移動した。
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