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「彗星、息子さんの力、どうなってるんだ?」
和式の畳の上で立派なテーブルが置かれている。
百合絵さんが日本茶と和菓子を出してくれた。
「うーん、大物ができちゃった感じ?うちの妻は霊感はあるけど、
見えるだけなんですよね。それでも夫婦で霊感持ちだから?
えらく強くて、低級霊とかも弾き飛ばすんですよ」
「いや、だからって、世界を統べる王の牢獄を破れます?」
「あのね、かんたんだったよ、こうして、こうっ」
天人くんが身振り手振りしても、まったくわからなかった。
「まあ、二人して食事ができて、うちまで来れた。
その王様には、もうわかってるんじゃないですかね」
「かもしれないな。とにかく、ありがとう、天人くん」
「うん!」
泊まってもいいと言われたけれど、映子の住まいに戻った。
「本物の部屋なのね、まだ信じられない」
「うん、とりあえず幽閉は解けたらしい」
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