星の数ほど死んでいく

捕らわれの女

「今度こそ、産んであげたい」

「うん」

ようやく僕らは自由になれた。

ゼーノはこれからをどうしろというのだろう。

テウスはこれからどうなるのだろう。

彗星の子はどうなっていくのだろう。

何もかもわからないまま。
僕たちは一緒のベッドで寄り添い合っている。

罪も死も何もかも乗り越えて。
安息できる日はくるのだろうか。

こんなにも星の数ほど死んだ世界のなかで。

――完――