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「よくも俺たちの故郷を消し去ったな!」
麻子と買い物に行くと、魔物の生き残りたちに襲われるようになった。
街の中で人ゴミをかき分けて逃げる。
映子は麻子の為に殺しをやめていた。
「赤子を殺したせいだったからな、出産まで待ってやったんだ。
子供だけは助けてやる、だが、日並と映子は殺す!」
男たち数人に囲まれた。
「お父さん、お母さん、ぬるいよ」
麻子が右腕を振ると魔物たちがフッ飛んだ。
それぞれが店先にぶつかり、並べられていた品物が飛び散った。
僕は麻子を抱き上げ、映子が僕の肩を掴み、部屋へ移動した。
リビングで座り込み、二人で肩で息をする。
「麻子、乱暴はよくないよ」
僕は麻子と目線を合わせて言った。
「やらなきゃ、やられる」
「麻子......!」
僕たちの子は、僕たちの運命にカタをつけようとしている。
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