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「え......?」
気づけば夕暮れの公園に立っていた。
歌が聞こえる。
振り返るとブランコを漕いでいる女の子をみつけた。
「映子、もう帰るわよ」
女性が声をかける。
「帰らない、帰っても、つまんない」
「なに言ってるのよ、これから新しいお父さんと暮らすのよ。
良いことばかりになるのよ」
時間が、戻っている。
母親がテウスに映子を売った直後まで。
僕はブランコへと駆け寄った。
「映子、映子だね?」
女の子がブランコを止めた。
「そうだけど、なに?」
僕は小さな首を両手で掴んだ。
女性が悲鳴を上げた。
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