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そこからのテウスの行動は早かった。
栄子を見つけ出し、屋敷に連れ帰り、不老不死にして動けなくした。
ウェディングドレスを着せて赤い装飾の壁に手足を拘束した。
「またこれ?あんたも飽きないわね!」
「ふむ、容姿は以前の映子そのものだ。美貌も悪くない。満足だよ」
テウスが赤ワインを飲み干した。
映子は口汚く罵り続けた。それが半年もすると、以前と同じく
歌い出した。
そして歌い続けた。
これでいい。
これでいいんだ。
もう誰も死なない。
もう誰も犠牲にならない。
映子との業はこれで終わりだ。
後はテウスが引き継いでくれる。
テウスも不老不死だから、終わることがない。
このまま永遠に続くのだ。
映子、栄子、これしかできない僕を、許せとは言わない。
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