星の数ほど死んでいく

繰り返す女

映子をファータールという国に逃がしたときと、同じ事件が起きた。
英子をあきらめきれない男が、長者の屋敷を大勢の男たちを集めて
襲撃して破壊していった。
英子の夫と家族は殺され、英子は連れ去られた。

連れ去ってから、やることと言えば輪姦だろう。

しかし英子は、男の持っていた鎌を奪い、自身の首に向けた。

「生まれ変わったら、家族を守れるほど、強い女になりたい」

そう願って首を切り裂いて死んだ。

僕は、英子の死体の前で呆然としていた。

どうして。
どうして映子は、幸せになれないんだ。

ただ普通の生活をしたいだけなのに。
どうして、それが叶わないんだ。

どうして僕は映子の末路ばかり見せられるんだ。

どうして、どうして、どうして......。

いや、まだ、あきらめない。
また、やり直すんだ。

僕は英子の来世を追った。