映子という女

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夢をみた。 ゼーノが裸でベッドで寝ている。 女性と一緒に。 「どうするのよ、なにもつけずにやっちゃった」 「悪くなかっただろう?」 「そりゃあ、そうだけどさあ、最初はおじいちゃんかと思ってさ、 ビックリしちゃったから、尚更だわ。なんで白くしてるの? 目だってカラーコンタクトなんてつけてさ、 すごいね、目以外は全部、白いなんて」 女性がたくましい白い肌に寄り添う。 ゼーノは、洒落た人のフリをして娼婦の女性を抱いた。 女性は他の男とも不用意にやっていたので、父親が誰かわからなかった。 じっさいにはゼーノだったのだ。 「俺は混沌が見たい、その為の準備だ」 「なに言ってんだか」 あぁ、時間はそこへ戻るのか。 ゼーノはただ、面白がっていただけなのだ。 僕が混沌を静めようとする様を。 ただ、眺めて楽しんでいただけなんだ。 ゼーノ、僕の負けだ。
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