映子という女

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天人と麻子が公園で遊んでいる。 僕と彗星はベンチに座って眺めている。 「そういえばゼーノに幽閉されたときも、天人に救われた。 今回も大きく救われた。本当にありがとう」 「いえいえ、天人は何者なんだろうって、父親の俺でも思います。 これからどうなるのか、想像もつかない」 「しかし誠実な子に育ったことは確かだ」 「そこだけは安心です」 麻子の無邪気な笑顔を外で見れるなんて、喜ばしい現実だった。 しかし、これからどうなるのだろう? 混沌を望むゼーノは引き下がるだろうか? このまま平和になれる? 僕には、もう、そう思うことはできなかった。 さんざん引っかき回された後だっただから。
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