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「また会えて嬉しい」
昼間から金と銀の調和が取れたワンピースを身にまとっていた。
そして肉食獣の食事の後かと思うほどの赤い口紅だった。
「隠れているのが二名、もうわかってる?」
「わかってる、ぜんぜん隠れてないわ」
映子が白い歯を見せて笑った。
「ソンミール街のカフェで、お茶しましょう。
それとも裏道にある飲み街がいい?」
「お茶で、ブェードウェイに行きたいかな。
二人もほら、行きましょう」
僕は辰巳とヨトにも声をかけた。
少し離れたところにいた二人が歩いてきた。
「いま殺す?」
映子の切れ長の目が辰巳を見つめた。
「やっと正面から顔を見れた」
辰巳は落ち着いた口調だった。
「ご感想は?」
「苦痛にゆがむ顔が見たい」
「あはははっ!」
映子が喉をのけぞらせて笑った。
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