映子という女

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「ターロ!よくも裏切ったな、殺してやる!」 僕は本気を出して火を操り、攻撃した。 ターロは手強かった。 しかし、もう負けるわけにはいかない。 ターロとテウスは悪事を生み出す、始末しなければならない。 そうしなければ、事は終わらない。 「ちょっと待ってくれないか?最も悪いのは誰だ?」 「なんだと?」 「ゼーノ様じゃないのか?」 僕の火を飛ばす手が止まった。 「それは、確かにそうだ」 何をしても邪魔をしてくるのはゼーノだ。 そもそもゼーノが映子を生み出し、テウスのコレクションにさせた。 そこから自由にするのも、幽閉させたのもゼーノだ。 僕の過去までさかのぼる努力を消し去ったのもゼーノだ。 すべてが混沌を楽しむ為に。 「僕たちの戦いもまた、ゼーノの計画の中なのか......」 「俺はもう、そういうのは飽きてきたかな」 「だからって、どうできる?僕らの王なんだぞ」 「倒せないものかね?」
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