映子という女

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「ここは......」 人間界の西洋風の街の真ん中に僕は立っていた。 通行人とぶつかりそうになり、慌てて避ける。 人で賑わう街で、様々な店があり、バイクや自転車が走っている。 道路をあった。 「ゼーノ、果実ジュースが安売りしてるよ」 黒髪の男の子が言った。 「ほんと?買いに行くよ!」 答えたのは、白い髪に赤い目の少年だった。 ゼーノの子供時代? ゼーノにも住んでいた世界があった? どういうことなんだ。 僕はゼーノを追ってみた。 色とりどりの瓶の並んだ店で、ゼーノが買い物をしている。 先ほど言っていたらしき果実のジュースだろう。 じっと見ていたら目が合って、笑い返してきた。
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