映子という女

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「俺ね、いまの生活で楽しいよ、勉強は嫌いだけど。 でも、ちゃんと勉強して、いつか海に出て、故郷を探す旅に出る。 それが夢なんだよ」 「みつかるといいね」 「うん!」 出生が不明な点は、少し気になった。 ともあれ風呂にまで入らせてもらって、部屋に戻った。 今夜は何事もなさそうだ。 そうして布団に入ったが、なかなか寝付けなかった。 映子......。 本当は早く助けないといけないのに、こんなことをさせられてる。 しかしまあ、ここにきても映子だ。 麻子も気になる。 死んでいった人たち、ごめんなさい。 僕は過去を変えようともしたけれど、やはりいまの映子が好きだ。 だけど。 映子という存在が混沌の原因なのだ。 それを探らなければならない。
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