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気が付くと寝ていたらしい。
人々の騒ぐ声で目を覚ました。
「盗賊だ、盗賊がきたぞーっ!」
窓を開けて外を見ると、もう盗賊たちが大暴れしていた。
銃や剣や大砲で街を襲っている。
僕は着替えて階段を下りた。
ゼーノの両親は柱に縄で縛られていた。
盗賊たちが朝食を勝手に食べたり、酒の瓶を出して飲んでいる。
「やっとみつけた。白い髪に赤い目、あたしの息子」
黒い髪に緑色の目の女が言った。
背が高く豊満な胸をした女が赤いコートを着ていた。
「船を襲ったときに海に落ちて以来、ずっと探していたんだよ」
ゼーノは震えて座り込んでいる。
「そんな、そんな......俺が、盗賊の息子だなんて、嘘だ!」
「世界中でね、白い髪に赤い目は、おまえの父親だけなんだよ」
「そんなの嫌だーっ!俺の両親はそこにいる!」
「なら、消えな」
女は銃でゼーノの両親を撃ち殺した。
「父さーん!母さーん!」
「さあ一緒に行こう、これからは贅沢させてあげる。
ここは良い街だね、全員殺して、全部奪って、もっと贅沢できる」
「よくも、よくも父さんと母さんを!そして平和な街を壊したな!」
ゼーノの目が燃えるように赤く輝いた。
「なんだい?まだ人がいたのかい」
女が僕へと銃を向けてきた。
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