映子という女

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ここは、どこだ......? とても温かい。 「おまえに名前を付けてあげよう刀麻だ。快刀乱麻の意味だ。 さあ、この言葉が通じる世界を作りなさい」 「僕が、世界を?」 「そうだよ、俺はゼーノ、この世を統べる王だ。 たくさんの世界が欲しい、それを作る神を生み出した」 「世界......二つ作りたいな、いま思い浮かんだ」 「好きにしなさい、そしてこれだけは守りなさい」 「なにを?」 「世界を混沌とさせなさい、平穏ではない世界にしなさい」 「混沌?なぜ?」 「そのほうが楽しいからさ」 「わかりました」 あぁ、そうだ。 こうして僕は、僕たち神は生み出されたのだ。 ゼーノは母親と盗賊一味を殺したとき、殺人の快楽をおぼえてしまった。 そうして人の世界に殺戮まで作らせた。 だから、魔界も人間界も平和のない世界になったのだ。
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