映子という女

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白い床の上で目を覚ました。 「納得してもらえたかな?」 ゼーノの声がした。 「はい......」 僕はゆっくりと起き上がり、立ち上がった。 「母親殺しから始まった。だから映子も」 「そう、母親を殺した。そして子とは一緒にいられない」 「もう充分でしょう、映子を解放してください。 世界を平和にしてください、殺戮を止めてください」 「なにも、なにも満足できていない」 「それは、生きることのほうが尊いからです」 「殺すことのほうが面白い」 「違う!」 「俺は親だ、反抗期かな?」 「あなたとは話しにならない」 僕は自室へと移動した。
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