映子という女

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自室の畳へと倒れるように寝転がった。 さすがにゼーノの過去への旅には疲れた。 身体を反転させて仰向けになってみる。 ゼーノと映子は似ている。 親のせいで人生を狂わされたのだ。 その親......。 過去に出てきた白いマントの男。 それが『鍵』となる。 ゼーノの父親のほう。 彼は少なくとも誠実さがあった。 彼なら、ゼーノを抑えつけられるのでは......? だけど、どこだ?いま、どこにいる。 『俺は、もう混沌に疲れた。どこかでゆっくり眠りたい』 どこで眠っているというのだ。 僕は起き上がった。 彼を探すことから始めよう。 他の世界の神たちとも話し合ってみよう。 けれど、その前に、と。 僕は自宅へと戻った。
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