映子という女

40/74
前へ
/273ページ
次へ
「世界は快適かな?」 丘の上の大木にもたれていたら、白い髪に赤い目に白いマントの男に 声をかけられた。 「え?はい」 見た目に圧倒されながら、僕は答えた。 「それはよかった」 男がマントを揺らして大木の根元に座った。 「結婚したい女性ができた。新しく出会った女性だ」 「それは、なによりです」 なぜ僕に言ってくるのだろう? 「よりよい家庭を築ければいいのかな?」 「そういうものだと思いますよ」 「そうか、俺も、やっと......」 なんだか懐かしさを感じる人だった。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加