映子という女

44/74
前へ
/273ページ
次へ
僕は魔界と人間界を作った。 平和で争いのない世界を。 誰もが疲れ過ぎることのない社会を作り上げた。 そして人間界は進化が様々だった。 人の暮らしは便利になっていく。 震災と災厄はあったが、その度に乗り越えていった。 なんだろう、何か違和感がある。 いや、これでいい筈だ。 僕が望んだことなんだ。 そうして東京に行った。 新宿駅はザワザワとしていた。 僕は頭上の説明を見ながら14番線を目指した。 そのとき。 大き目のトイレの前で、綺麗な女性と中年男性を見かけた。 ショートカット、真っ赤な口紅、細い身体。 その女性は中年男性と笑い合って話していた。 そして手を振って別れた。 僕が見つめていたら、女性が気づいて近づいてきた。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加