映子という女

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慣れ親しんだ寝具の上で目を覚ました。 「おはよう、かわいい寝顔が今日も見れちゃった」 「映子......」 僕は上半身を起こした。 「映子、どれだけ殺してる?」 「なあに?せっかく作った朝食がまずくなっちゃう」 「おしえてくれ、麻子は無事か?」 映子がベッドに座った。 「みーんな、私が殺したわ」 「みんな?」 「そうよ、人間界にいる魔物もテウスもターロも殺した。 私たちを追ってくる者は、もう誰もいない」 「そうか......」 僕はベッドから起きて立ち上がった。 「お母さーん、三つ編みしてーっ」 麻子の声がした。 「朝ごはん食べたらね」 映子が寝室を出た。
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