映子という女

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「映子、もう人は殺してはダメだよ、たとえ麻子の為でも」 僕は言い聞かせ、麻子は転校させた。 新しい学校で少しずつ明るさを取り戻していった。 「どうしても抑えきれない」 一緒に眠るベッドの中で映子が言った。 「度が過ぎると、天人に幽閉されるかもしれないよ。 麻子と一緒にいたいだろ」 映子が小さくうなづいた。 「映子、僕は、いまの映子が好きだ。 ここまでなってしまった映子が好きだ。 だけど、ここで殺しはおしまいにしよう」 映子が抱き着いてきた。 僕は抱きしめた。
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