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日々が更に過ぎて、彗星と百合絵さんが亡くなった。
麻子と天人は若者の姿のまま、あまり変わっていなかった。
人ではない二人が、社会で生きていくには難しくなりつつあった。
「テールという世界をみつけたんだ、移住してみないか?
天人、映子も一緒に行けないかな?」
「そうするべきでしょうね。だって、この世界は......」
「うん、そうだね」
人間界に、大きな戦争が始まる。
そこから人間は滅亡してしまう。
僕にも天人にも止められなかったことだった。
「人がみんな死んでしうのなら、映子の罪は消えるかな」
「そういう問題ではないけれど、映子さんだけが害悪じゃない。
人は誰もが悪の心を持っている。だけど、それだけじゃない。
この戦争で生き残る人たちもいます。
そこから希望を持てるのも人間なんです」
天人が美しい涙を流した。
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