人を殺せる女

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僕は真っ直ぐに風子を見つめ返した。 そして言った。 「好きか嫌いかで言うと、好き」 それから言った。 「でも、それとこれとは別」 風子は残念そうにうつむいた。 「殺すのね」 「まだよくわからない」 「殺さないでね」 「保証はできない」 風子は涙を流した。 それはとても美しくみえた。
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