人を殺せる女

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「ブェードウェイで映子を殺さないでくれたね。ありがとう」 広いリビングでコーヒーを飲みながらテウスが言ってきた。 「もういつでも殺せますけどね」 僕もコーヒーを飲んでいる。 「君はしないさ、わかっているから同棲を許した」 「どうしようかな?」 「すれば止めるだけだよ」 ブラックコーヒーよりも黒い瞳でテウスが見つめてきた。 「映子は頑張ってくれているよ」 テウスが立ち上がり、ベランダへと出た。 夜景が綺麗に見渡せた。 「この夜景よりも映子は綺麗に聡明に、そして気高くなってくれた。 最高の嫁になるだろう」
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