人を殺せる女

44/85
前へ
/273ページ
次へ
「また誰かに狙われるかもしれませんよ?」 辰巳が死んだことで終わっていない。 ずっと連絡を取っていないが、ヨトだってあきらめていないのだ。 「阻止するだけだ。映子は必ず嫁にする。 ところで君は、なんなんだ?俺はね、透視しているんだ。 君は食事はするけど排泄しないし、風呂にも入らない」 「人ではないです」 「もう少しおしえてくれよ」 「まあ、いずれ」 「子は作れるのかい?」 「いまのところ、映子を抱くつもりはありません」 テウスに睨まれた。 「まあ、いい、映子にとって君は悪影響ではないから」 それだけの理由で、僕は彼に存在を許されている。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加