人を殺せる女

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「初めまして。俺は彗星舞人(すいせい まいと)といいます。 霊能者です」 魔界の喫茶店で、突如として自己紹介された。 黒い短髪で前髪をセンター分けにした若い男性だった。 「新メンバーだよ」 と、ヨトが言った。 「初めまして日並刀麻です。霊能者で、この事件に関与するんですか?」 「はい、辰巳直純さんに託されました」 「辰巳さんに?」 「はい。彼の魂はカラオケルームの死んだ部屋にいました。 あれからもカラオケ店は営業していて、時に幽霊を見ると騒ぎになり、 俺は除霊を頼まれました。そして辰巳さんと話しました」 「それで映子を知ったと?」 「はい。辰巳さんに『手伝ってやって欲しい』と、言われました」 ヨトはいつものようにソファーに座っている。 「辰巳の霊は、俺のところにもきたよ。そんでこの人、 連れてきちゃったわけさ」 そんなすんなりと参戦してくるとは......。 これはかなりの大物という気がした。
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