人を殺せる女

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「日並くん、た、助けて」 僕は腕組みをして言った。 「好きか嫌いかで言うと、好き」 それから言った。 「でも、それとこれとは別」 映子が更に苦しそうな顔をした。 「そこまでだ」 突如として突風が吹いた。 ヨトが弾け飛ばされた。 同時に浮遊霊たちも吹き飛ばされ、映子は自由になり、座り込んだ。 背中まである青い髪の男が立っていた。 「映子は助けさせてもらうよ」 青色の目でみつめられた。 青いコートをひるがえして青いブーツを履いて歩いてきた。 そして映子を抱えて抱き上げた。 「日並くん、いや、神様、あとで会おう」 そうして白い竜巻と共に消えていった。
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