人を殺せる女

51/85
前へ
/273ページ
次へ
「なんなんだよ、もうっ、次から次へと!」 ヨトが地面を叩いた。 「自宅に戻ったらしい、帰るよ」 「ちゃんと話してこいよ、っていうか、おまえもう殺せよ!」 「それについても話してくる」 僕は瞬時に移動して映子の自宅玄関に来た。 そして靴を脱いでスリッパを履いた。 リビングに青い髪の青年と映子がいた。 「今回はもうダメかと思った......」 映子がソファーによりかかって寝ている。 「ギリギリでしたよ」 青い髪の男が言った。 「人間で風は起こせないよね、魔物だとして、テウスの味方?」 「名前はマウ。テウスの友人です。人間と結婚しています」 「人間と結婚?」 さすがに色々と驚いたが、いや、できないことはない。 偽の戸籍はつくれるし、僕やヨトにしても、人間界で株をやって金を作って 偽造カードで支払いをしている。 「テウスに言われてるんだよ。映子のことは感知していろと。 まあ、保険みたいなものかな」 「さすがテウスだ」 僕もソファーに座った。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加