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「私は、やはり母が許せない、殺しても殺したりない。
テウスに売られたから贅沢ができた、好きなものを何でも
買ってもらえた、遊園地も動物園も水族館にも行けた。
だけど自由は二十歳までだった。
そこからは身体を維持する為に糖分を控え、玄米ご飯で、
水とお茶とブラックコーヒーのみ、野菜と魚介類ときのこと
豆類中心の食事、揚げ物は無し、ジム通い、手肌の手入れ」
自身でも知らないうちに映子は泣いていた。
映子へとマウが、ティッシュボックスを渡した。
「パンケーキが食べたい、ハンバーグステーキが食べたい、
カフェラテが飲みたい、ラーメンが食べたい、チャーハンが食べたい」
子供のように映子は泣いた。
「私は風子のようになりたかった。好きなだけ食べて太って。
風子は私の理想だった。本当は憎らしい。
私を褒める度に、言ってやりたかった。
なれるものなら、私と変わってよ!って......」
「テウスの嫁になる、それでいいの?」
「従わないと、このまま殺されるだけでしょ」
ようやく映子の本心を聞けた。
殺すグループから守ってもらう為にテウスとの契約を続けているのだ。
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