人を殺せる女

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港の夜景が見渡せる店で、映子とフレンチ料理を食べている。 「ラーメンやチャーハンよりも、おいしい?」 僕は白ワインを飲みながら、少しだけ嫌味を言った。 「んふふふっ、同じくらい、おいしい」 映子は白ワインで酔っている。 そのとき。 近くの席のカップルらしき男女が口論を始めた。 「だから、あの子とデートしたのかって、聞いてるのよ」 「デートじゃねえよ、二人でカラオケしただけだ」 「なにそれデートじゃない!」 「だから違うって」 「もう別れよう、浮気、何人目だとおもってるのよ」 「女の子と二人で会うだけだろ」 「それを浮気って言うのよ!」 映子が席から立ち上がった。 そしてカップルの席へと行った。 「映子、ダメだ!」 僕が叫ぶと同時に、映子は男の人差し指を突こうとして、止めた。 「な、なんだよ」 男女で固まっている。 「すみません、彼女、酔ってるみたいで」 僕は映子の肩を掴んで席へと戻した。
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