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「個人的に嫌なんだよ、魔物が人の命を奪うことが」
そう言ってヨトは身の上話しを締めくくった。
「それで辰巳さんを手伝ったんですね。
あの通り魔事件の被害者の方々、何人かは除霊しました」
彗星が肩を落とした。
「私、それでも私、死にたくない」
映子が震える声で言った。
「今日はもう解散しよう、これ以上、考えても、
いい案が出そうにもない」
僕から切り出した。
誰もが同意して、僕と映子はマンションに移動した。
「外食もまともにできなかった!」
映子の、その言葉にはさすがに呆れた。
「性格が悪いからって殺された男がいるんだぞ!」
「やったのは私じゃない」
「映子!」
映子が抱き着いてきた。
「映子......?」
「普通がよかった」
僕は抱き返さなかった。
いや、抱き返せなかった。
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