人を殺せる女

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「なるほどね、自分をこんな目に遭わせた母親を殺す為の力か。 映子、君は素晴らしいよ!五才にしてその機転と残酷さ」 「×××のDVD」 「は?」 「映画館で観たかったのに、お母さん連れていってくれなかった。 大きい画面のテレビも欲しい、それでDVDを観たい」 「ご用意いたしますよ、映子様」 そうして映子の軟禁生活が始まった。 母親は心臓発作の急死と診断されて、店の同僚が集まる葬儀が行われた。 映子の戸籍は赤塔映子のままで、男は親戚と偽って引き取ると告げた。 「俺の人間としての名は『席口通(せきぐち とおる)』 本当の名前はテウス」 「テウス、欲しい絵本がある」 「いいよ、他には?」 「パンケーキが食べたい」 「いいとも」 映子は欲望のままにテウスにねだった。 しかしテウスにも要望はあった。 知性と教養を身に付けること、太りすぎないこと。 テウスは痩せているほうが好みだったのだ。
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