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「よくも、よくも俺の親友を......!」
テウスが牙をむき、額の両側から二本のツノを出して激怒している。
「ヨト......」
これしかなかったのだ。
『テウスが窮地に陥ったマウを助けに来るには、
わずかに時間がかかる。
とはいえ三秒くらいだ。
だったら簡単なことだ。
二秒で殺せばいいんだ。』
ヨトからのラインには、そう書かれていた。
それが瞬時に業火を出す方法だったのだ。
自身が逃げる間もないほどの。
ヨト。
自分が命を捨てる覚悟をした。
なんという執念と潔さだろう。
「ここまで、ここまでされたら......引くに引けないじゃないか!」
「日並......」
僕は涙でぼやけるテウスを見た。
「赤塔映子を殺す」
更に僕は言った。
「好きか嫌いかで言うと、好き」
そして言った。
「でも、それとこれとは別」
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