人を殺せる女

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「マウさんは敵側だったし、人まで殺していた。 だけど......塵になったのは、ヨトさんと同じく気の毒に思えます」 喫茶店で彗星が言ってきた。 「僕もだよ」 ヨトの座っていたソファーに座ってみる。 もちろんヨトのぬくもりなんて残っていなかった。 「二人になっちゃいましたね」 寂しそうに彗星が言う。 「彗星は映子を追いかけたい?」 「もちろんです」 即答だった。 「そうでなければ、辰巳さんとヨトさんの死は、無駄になってしまう」 「うん」 そのとき。 開け放したままの店のドアから入ってきた者がいた。
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