捕らわれの女

4/81
前へ
/273ページ
次へ
「初めまして、お嬢さん、新参者です、よろしく」 男が運転しながら帽子を取ると銀色の髪がなびいた。 「こんなことをしてもテウスが感知してくるわよ!」 「映子さん、君を再び見つけ出すには五分かかる。 五分、これだけあれば充分だ」 車は瞬時にして魔界へと移動した。 薄暗い建物の前に。 車を停車させてセオが映子を抱き上げた。 いわゆるお姫様抱っこだ。 廊下を歩き、牢屋だらけの場所にきた。 その牢屋のひとつに映子を入らせた。 「映子!」 テウスがきた。 「封印!!」 セオが叫んだ。 映子の入った牢屋に金色の光が走った。 「なに?どういうこと?」 「映子さん、あなたは牢屋に閉じ込められた。 もう出られない。安心なさい、トイレとバスルーム付きだ。 食事も三食ちゃんと運んであげよう」 セオの計画は容易く成功した。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加